1万年という長い人間との生活によって雑食化したとはいえ、タイリクオオカミを祖先にもつ犬は基本的には肉食系の動物です。
日本でドッグフードが普及し始めたのは、1960年代からですが、それ以前は残りのご飯に味噌汁をかけただけが当たり前でした。
でもこれはいくら何でもお粗末すぎで、栄養のバランスも全く取れていません。
犬は人間の4倍ものたんぱく質が必用なのですが、たんぱく質の元になるのはお肉ですから、無添加ドッグフードを選ぶときにもお肉にはこだわりたいですよね。
やっぱり肉の王様は牛
肉の王様といえばやはり牛肉ですが、犬にとっても上質のたんぱく源となることが知られています。
カロリーは高目ですが、骨や筋肉、血液などを作るのに最適で、亜鉛やビタミンも非常に豊富に含まれ、豚や鶏肉と比較して、それぞれ約2倍と3倍だからです。
血液を作るうえで欠かせない鉄分にも恵まれ貧血や疲労回復にも効果がありますし、ビタミンB2も多く、動脈硬化の予防効果もあるまさに栄養の塊のようなお肉でやはり王様と呼べるでしょう。
成長期の子犬や活動量の多い犬にとっては最適のタンパク源といえます。
これに対して鶏肉は牛肉とは逆に脂質が少なく低カロリーで、消化吸収に優れているためダイエット中の犬やシニア犬、胃腸が弱い犬などに適した肉です。
善玉コルステロールを増やし、悪玉コルステロールを減らす働きもあり、このため動脈硬化の予防にも効果があることが知られています。
疲労回復には豚肉が最高
豚肉はビタミンB1が豊富で、なんと同じ量の牛肉の約10倍という驚異的な含有量のため筋肉に蓄積されると疲労の元になる乳酸を分解する働きを持っています。
疲労回復をしてくれるので愛犬が夏バテの時には、鶏肉を多く含んだ無添加ドッグフードを与えてみてはいかがでしょうか
さらに実に豊富なのがコラーゲンで、カルシウムをよく吸収するため、丈夫な骨を作ることができます。
またビタミンB1はストレス解消やイライラの鎮静にも効果がありますから、頻繁に吠える、噛み癖があるなどそんな精神的に不安定な傾向のある愛犬に、与えてみてください。
脂肪分の中に悪玉コルステロールを減らすといわれる飽和脂肪酸を含んでいる点も、鶏肉の特徴の1つです。
副産物には要注意
無添加ドッグフードの中にはこのほか低カロリーで高たんぱく、鉄分が豊富な鹿肉や同じように低カロリー、高タンパクでビタミンやミネラルを多く含む馬肉などが配合されている製品もあります。
ただ肉に含まれる栄養素はそれぞれの動物の部位によっても変化し、例えばロースは脂質が豊富で、ヒレ肉は低脂肪高タンパクという特徴を持っています。
ただ注意していただきたいのが、成分表示に副産物と書かれている場合です。
副産物とは人間だったら通常食べない部位の肉のことで、具体例を示すと鳥のトサカや足、血液や骨などのことですから、ちょっと愛犬に食べさせる気にはなりませんよね。
このような肉を使用するのは、通常の部位に比べて安からで、ワンちゃんの健康よりも原価率を抑えて利益を上げることが目的といっても過言ではありません。
合成添加物を使用しているわけではないので、無添加ドッグフードとして販売することも可能ですから、ドッグフードを選ぶときには必ず成分表示を確認し、不明な点があったらメーカーへ問い合わせるべきでしょう。
まとめ
さらに慎重を期すならば、そのフードの原料の肉となった動物が、どのようなものを食べていたかも確認するべきです。
合成添加物がごっそりと含まれていたエサを食べて育てられた動物の肉は、やはり安全とはいいがたいですよね。
日本は欧米に比べるとドッグフードに関する規制が非常に緩い国ですから、安全な無添加ドッグフードを選ぶためには、飼い主の方も十分なリサーチが必用です。
信頼できる獣医さんへ相談したり愛犬仲間から話を聞いたり、インターネットで情報を集めるなどして、どんな食材が配合されているのか、そして使用されている肉は何でどんな環境で飼育されたのかなどしっかりと気を配ってワンちゃんの健康を守ってあげてください。