犬の皮膚病は細かく分けると200種類以上あるそうですが、ただ痒いだけならたいしたことはないのではと考えていませんか。
皮膚病の原因は色々とありますが免疫力の低下や食物アレルギーなど、愛犬の健康を根本から揺るがすものもあります。
ですから皮膚病に対する知識を持っていることは、飼い主にとっては愛犬の健康を守るうえで大切なことなのです。
食事や運動量も関係してきますから、皮膚病は犬の生活習慣病の1つと捉えるようにしていただければと思います。
免疫力アップで皮膚病を防止
皮膚病で最も多いのが膿皮症という病気ですが細菌の繁殖が原因で、夏にかかりやすい病気です。
犬の皮膚は表皮、真皮、皮下組織という3層に分かれていますが、膿皮症はそのすべての層で発症する可能性があります。
発症しやすいのは顔や脇、またの内側など柔らかい皮膚で、表面に赤くて小さな発疹が生じるのが初期の症状です。
さらに進行すると病変部が丸く広がっていき黒ずんでひどい痒みが発生して、のべつ幕なしといっていいほど身体をかいたり舐めたりするようになります。
脱毛もおこり痒みが痛みに変わってひどい場合は発熱することもありますから、犬の精神的ダメージも計り知れません。
この病気の治療法は抗生物質の投与や薬用シャンプーの使用で細菌を死滅させて皮膚を清潔に保つことです。
ただしそのような治療法は対象療法にしか過ぎないともいえ、犬の免疫力を強化することが根本的な治療だと考えられます。
アトピーも多い皮膚病のひとつ
そして免疫力アップに一番大切なのが、腸内環境を整えることです。
ですから毎日の食事にどんなものを与えるかはとっても大事で、無添加で栄養バランスのきちんととれたフードを選んでください。
ところで膿皮症と同様に多い犬の皮膚病にアトピー性皮膚炎がありますが、こちらは食事で摂る穀物などのアレルゲンが原因です。
ですからアトピーのワンちゃんの場合はアレルギーを持つ成分が配合されているフードは避けるようにしましょう。
人間との生活が長いので雑食性になっているとっても基本的に犬は肉食ですから、食物繊維の多い穀物は消化するのに負担がかかりますし穀物はアレルゲンです。
動物性たんぱく質が多く含まれている無添加ドッグフードや穀物を含まないグレインフリーをお勧めします。
ただ厄介なのは牛肉や豚肉、卵や牛乳でもアレルギーを発症する犬もいる点ですが、最近はアレルギー対策フードも販売されるようになりました。
膿皮症とアトピーは犬の2大皮膚病といえますが、ではその見分け方はあるのでしょうか。
小まめにシャンプーをして皮膚を清潔に保っているのに、痒がる場合はアトピーの可能性があります。
そんな場合はすぐ獣医さんの診察を受けて、アトピーかどうか確認した方がいいでしょう。
その結果によっては、アレルギー対策フードを与えるのもいいかもしれません。
帆農相にはオメガ脂肪酸が効果を発揮
またワンちゃんの皮膚を健康に保ってくれると最近話題になっているのが、オメガ脂肪酸です。
血液凝固や炎症を減少させてくれるオメガ3と皮膚や毛並みの修復と膜組織の維持に不可欠なオメガ6があり、特に膿皮症に効果があるといわれています。
オメガ脂肪酸は犬の体の中では合成することができないので、食物から摂取しいなければなりません。
オメガ3脂肪酸は魚介類や亜麻仁油、しそ油、えごま油などに、オメガ6はリノール紅花油やリノールひまわり油、菜種油、クルミ油などに豊富に含まれる栄養素です。
愛犬が膿皮症で悩んでいらっしゃる飼い主の方は、獣医さんにも相談して試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
膿皮症とアトピーの発症には食事などの生活習慣が大きく関与しています。
犬にもっとも近縁の動物である野生のオオカミには膿皮症やアトピーはまず見られません。
いわば飼い犬に特有の生活習慣病ないしは現代病と考えることができるわけですから、散歩などによる適度な運動と栄養バランスがとれていて安全な無添加ドッグードを中心とした食事で予防することが可能です。
病気になってしまったら獣医さんなど専門家に診てもらうのが一番ですが、そうしなくてもいいように日頃から心掛けることはできますよね。
免疫力をアップしいて自然治癒力を高めてあげれば、皮膚病で苦しむ愛犬の姿を見なくても済むかもしれません。