無添加で適切な量の総合栄養食と水を適切な量与えていれば、犬は健康を維持できます。
犬の先祖のオオカミなどを見ても分かる通り、間食やおやつは人間独特の習慣で他の動物にはありません。
水さえあれば健康な犬なら3日間くらいの断食も問題がないとされているくらいです。
ところが実際にはガム、ビスケット、ジャーキーなど豊富な種類のおやつが販売されています。
ワンちゃんもおやつは大好きですが、与え方にはいろいろな注意が必要なのでこの点について整理してみましょう。
おやつは少量が大前提
ドッグフードは主食と間食、そしてその他目的食に分類することができ、主食はさらに一般食と総合栄養食に分けることができます。
主食でも一般職はミネラルやビタミンが不十分なものがあり、ペットフード公正取引協議会が認定している総合栄養食は必須の栄養素がバランスよく配合されているフードです。
ただし総合栄養食でもすべてが無添加フードというわけではないので、成分表示はしっかりと確認してください。
またその他目的食は一種の補完食で特定の栄養やカロリーの補給がおもな役割で、嗜好性増進も目的とされています。
そして間食あるいはおやつに分類されるフードは、犬の気分転換やしつけのご褒美として少量与えることが前提となっています。
一般的に高カロリーで味が濃い製品が多いのは、少量与えるものだからなのです。
低カロリーで高たんぱくがお勧め
肉や魚を主原料とした固い噛み心地を楽しめるジャーキータイプ、柔らかな食感のゼリーやプリンなどさまざまものがありますが、最高でも1日の食事量の20%が限度といわれています。
犬の肥満は関節炎や糖尿病などを発症しやすくするといわれていますが、そこまで太ってしまう原因は飼い主の方の食事の与え方や散歩などの運動不足にあることは明白です。
ですからおやつに関しては与える回数や主食とのバランス、成分などを十分に吟味する必要があります。
健康を重視すれば低カロリー、高たんぱくが理想で、牛、鶏、馬肉や鹿肉など自然由来の無添加フードをおやつには与えるべきです。
1日与える回数を決めておくこともおやつの総量を管理しやすいので、習慣としてぜひ取り入れていただければと思います。
塩分や人間には無害な食材に注意が必要
ところでカロリーや糖質に比べて飼い主の方があまり気にしないのが塩分の摂り過ぎではないでしょうか。
塩分も過剰摂取は人間以上に危険なことが知られていますから、カロリーが低いからといって人間用の煮干しをおやつに与えるのはやめましょう。
最近は犬用に塩分を抑えた煮干しも、ペットショップなどで販売されています。
ところで人間にとっては無害なものでも犬にとっては有害なものがあるので、カロリーや糖質、塩分と同様に注意する必要があります。
虫歯の予防に良いといわれバムに含まれていることが多いキシリトールもそのような犬にとっては大変危険な食材の1つです。
キシリトールはブドウ糖として体内に取り込まれますが、人間と違い犬の場合は血液中の糖の濃度を下げるインスリンが大量に分泌されるのです。
その結果、血中の糖濃度が極端に下がってしまい低血糖を引き起こすことがあるのですが、場合によっては意識の低下、昏睡、けれん、さらに肝障害を引き起こすこともあります。
まとめ
最後に犬と果物についてすこしだけ説明したいと思います。
犬の体長と腸の長さの比は人間の約半分しかありませんから、雑食といっても食物繊維の多いものは本来得意ではありません。
ところが甘味みのある果物は犬の大好物ですし、カロリーも低いので、量さえ注意すれば最高のおやつといえます。
サクサクとした歯ごたえのリンゴやかんきつ類のオレンジ、スイカも好物の1つです。
水分が多いので、夏バテしやすい犬にはもってこいのおやつでしょう。
バナナはおやつとしてはちょっとカロリーが高目がたかめなので、与える量に注意してください。
最初に説明したように無添加の総合栄養食と水さえしっかりと摂っていれば、犬は問題なく生きていくことできます。
でもそれではいくら何でも生活に彩がなさすぎで、飼い主としては愛犬が可哀そうになりますよね。
ですからおやつを与えることは悪いことではありませんが、量や食材には十分に注意してください。